emacs は大変便利で使いやすいエディタです。ラズベリーパイでもこのemacsを使用されている方はたくさんおられます。
emacs の大きな特長の1つとして、やはりカスタマイズの自由度の高さがあげられます。
Emacs Lisp というプログラミング言語を使ってカスタマイズしますが、この記事ではemacsの画面をなるべくシンプルに使う基本的な設定をいくつか書きます。
emacs のカスタマイズをどのように行うのかを知るためにも、是非試してみてください。
.emacsファイルにemacsの設定を書く
これから、emacsにいくつかの設定を加えてカスタマイズしていきます。
これらの設定は、各自のホームディレクトリ(/home/(ユーザー名)の下)にある”.emacs”というファイルに記述してください。
このファイルがもしなければ、この場所に新規に作成してください。
スポンサーリンクこのファイルはEmacs Lispという言語で書きます。コメントを入れるときは、セミコロン”;”を使用します。セミコロンを書いたところから行の末尾までコメントととみなされます。
このファイルに設定値を書き込んでも、その時点ではその設定値は反映されません。次回のemacsの起動から反映されます。
あるいは、emacs上で “M-x load-file”を実行して”.emacs”を再度読み込めば反映されます。
起動メッセージを消す
これは、以下の記事でも書きました。
emacsは、デフォルトでは起動時に起動メッセージが表示されます。
この画面にはチュートリアルなどがあるので、最初のうちはよいのですが、毎回表示されるとそのバッファをいちいち閉じなければならず、面倒です。
この起動メッセージ画面は、以下の設定で消すことができます。
以下の設定を .emacs に記入してください。
1 | (setq inhibit-startup-message t) |
スクロールバーを消す
emacsの右側あるいは左側には、デフォルトではスクロールバーが表示されていると思います。
マウスを使ってスクロールができる点はよいのですが、emacsのキー操作に慣れてくると、マウスに手をのばすことが少なくなり、大抵の操作はキーボードで行うようになります。
そうなると、このスクロールバーがちょっと邪魔になります。
特にノートPCを使っている場合など、液晶画面の限られたスペースでemacsを開かなければならず、スクロールバーの部分ももったいないくらいでしょう。
次の設定を.emacsファイルに追加してみてください。
1 | (scroll-bar-mode nil) |
これでスクロールバーが消えるはずです。
スクロールバーでの操作の代わりに、前行/次行への移動、前/後ページ移動、検索、行ジャンプ、ファイルの先頭/末尾への移動といった操作の方法を覚えた方がはるかに効率がよいでしょう。
ツールバーを消す
ツールバーもしかりです。
emacsの上側には、デフォルトではツールバーが表示されていると思います。
これも、使い慣れるまでは便利なのですが、emacsのキー操作を覚えてしまうと、emacs上でマウスを使用することが少なくなるため、このツールバーはほとんど使わなくなります。
すると、スクロールバーと同じ理由で、画面表示のスペース確保のために消したくなると思います。
次の設定を.emacsファイルに追加してみてください。
1 | (tool-bar-mode nil) |
これで、ツールバーが消えるはずです。
カーソルの点滅を止める
emacs上のカーソルは、デフォルトでは点滅しています。
デフォルトでは10回点滅すると点滅がストップする設定になっていますが、この点滅が気になる方もおられるでしょう。
私もemacsで原稿やプログラムを書いているとき、この点滅がどうもemacsに急かされているような気がして落ち着きません。
この点滅を止めるには、次の設定を.emacsファイルにに追加します。
1 | (blink-cursor-mode nil) |
次の起動からカーソルの点滅が止まっているはずです。
これで落ち着いて書けます。